追いコン練・会長練参加記録

これまで訪問してきた最高の練習会の紹介をします。

 

東大OLK追いコン練2013~高取山塊2(埼玉県越生町)~

追いコン練とは東大OLKの卒業生が追いコンの企画として提供する最高の練習会。追いコン練ソムリエのY城氏の説明によると、

追いコン練は、毎年 1 月に行われる追いコンの中盤で行われる練習会。基本的にグロッキーな状態での参加が想定されているが、そんな状態でもオリエンしたいというオリエン狂やマゾ体質な方向けのイベント。最近はそのような輩のアツい想いに応えて、普段の練習会ではキワモノすぎて練習にならないため使われない入ることのできないような珍しいテレインを選定するのがトレンドとなっている。(それまでは菅生丘陵といったふつうのテレインで普通にオリエンするだけのイベントだった)

とのことである。OLKの追いコンには追いコン練以外にもビール工場見学など様々な企画が用意されているのだが、当時1年生だった筆者は「1年男子は追いコン練以外の選択肢なし」との格言に従い思考停止で参加することとなった。

追いコン練一行は士気を高めるべく一橋の部室に前日入りし、翌早朝の電車で越生駅に向かった。車内では泥のように眠り、眠い目をこすりながら越生駅を出ると朝日にきらめく巨大な山塊がそびえたっていた。そう、本日のテレイン「高取山塊2」である。

関東学連作成「テラインガイド2002(だっけ)」によると、高取山塊2は「駅からテレインが近く、駅前の売店で地図が購入可能なためまさにコンビニエンス・ストア的テレインといえるだろう」とのことである。

今回はパーマネントポストを利用した簡素なものとなっており、トレイルランニング的な要素が強かった。

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地図作成年は1995年であり、地図の経年劣化が著しいため一般参加者はショートカットを要求された。4年連続追いコン練参加の実績を手に乗り込んできたY城氏のみは全コントロールの完走を要求されたようである。

筆者は初めて体験する市街地・植生・地形表現・道すべてに違和感を感じるエクストリームオリエンテーリングに困惑し、3から7へショートカットする際7ポ南の大きい尾根上で地図にない巨大な鞍部に遭遇し立ち尽くした。後半の下りレッグでは所々現れる展望台からの眺望がすさんだ心を癒してくれた。

セットされたコースを完遂したY城選手は「人は家を建て、道を創る」「藪は育ち、道をつぶす」など数多くの名言を残し立ち去っていった。我々は温泉で汗を流し、なんかよくわかんないけど追いコン練は最高!という感想を手に追いコンの終盤戦へと戻っていったのである。

感想:こんなコンビニはいやだ

 

東大OLK追いコン練2014~上谷炭焼き釜ツアー(埼玉県越生町)~

この年の追いコン練は一味違った。直前に渉外の失敗によりマニアックなテレイン(乙女道路)を用意することができず、関東ではしばし使われるテレインである上谷が急きょ選ばれることになったのだ。

筆者は「追いコン練こそが真の追いコンである」との格言に従い、数ある選択肢の中から追いコン練を選ぶこととなった。

しかし上谷でのただのコースでは暴動が起きるということで、上谷に点在する炭焼き釜を全て回るという狂ったコースセットがなされることとなった。このクレイジーなディスクリプションは二度とお目にかかれないだろう。

過去5回の参加を誇るY城氏は早朝の電車内で修論を書きながら寝落ちし皆勤賞を逃しかけたが、気合で走ってスタート地区に現れた。

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地図精度は悪くなく、コースもコンセプトを守りつつ人道的な回しであったため非常に爽快にレースを終えることができた。レース後は参加した一年生にY城氏やhuch氏が真剣に技術指導を行うという追いコン練らしからぬ一コマも見られた。

新鮮味のないテレインで暴動が起きるかと思いきや普通にオリエンテーリングを楽しんだアホ一行は越生名物・謎のうどんや温泉といったアディショナル・アクティビティを満喫し、追いコンの終盤戦の会場へと足を向けた。

感想:精度の良い地図・人道的なコースセットによりオリエンテーリングを楽しむことができる

 

会長練2015~諸行無常・菅生丘陵・二ツ塚峠(東京都青梅市)~

 会長練とはかつてY神氏がOLKの会長だった時代に行われた練習会であり、それ以来5年間行われずにいた。今回その会長練が復活するということで、多くの参加者が集まった。

使用テレインは隣接する菅生丘陵、二ツ塚峠という二つのテレインを接合させたロングディスタンス競技で、さらに序盤は1979年トータス作成の「諸行無常」というウルトラ旧マップが使用された。KOLCのTバナ君に「11/3、菅生で練習会やるよ!」とLINEしたところ「いくいく~」と帰ってきたので集合時間だけ伝えて招待したところ、会場でコース情報を見て硬直していた。

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菅生丘陵、二ツ塚峠の2テレインはOLK所有テレインとしては極めてよく使われる部類であり、OLKのメンバーは飽きるほど入っている。それでも36年前というOLK創設時レベルの旧図、そして深い洞察に満ちたテレイン名ということで異様な高揚感の中出走することとなった。

序盤の諸行無常エリアは1:10000、藪三段階、コンタ間隔10mというきわめて大味な地図ながら、行間を読む力を問われる良コースであった。藪はまったくあてにならず、地形表現もおおざっぱなためなんとなくポストの場所を把握し走れるところを選んで適当にルートを現地修正し、ローラー作戦でポストを探すのが効率が良かった。地図交換場所に降りてこれたときは正直ほっとした。

後半の地図交換後はOLK関係者なら垂涎ものの菅生丘陵名物「吉田君生息域」(18番から20番コントロールにかけての地形が何かの顔に見え、吉田君と呼ばれている)を訪れることができ、レースの疲れも吹き飛ぶコースセッティングであった。終盤は西隣の二ツ塚峠(2002ver.)に突入し、図々しくも意外と地図精度いいじゃんとか思いつつ爽快にフィニッシュした。一度に三時代の地図を堪能した我々は第三回会長練の開催を願いつつ帰路に就いた。なお、その後運営者たちは今にも日が暮れんとする中決死の撤収を行ったらしい。おつ~~^^

感想:諸行無常←テレイン名が最高

 

追いコン練2015~網代弁天山(東京都八王子市、あきる野市)~

この年の追いコン練も渉外に恵まれず難航したようだったが、運営者の執念により東京都西部の「網代弁天山」でめでたく開催されることになった。このエリアは西部に関東高連作成「五日市廣徳寺」を控えるレアテレインのメッカであり、どのようなテレインなのか期待が集められた。

筆者は「追いコン練の参加は競技者の義務である」との格言に従いただ一つの選択肢の中から追いコン練を選び取ることになった。

追いコン練一行が会場に到着すると直後に過去6回の追いコン練参加を誇るY城氏を始めとしてHっ田氏・T邉氏という往年のインカレを彷彿とさせるメンバーが集結し、参加者のテンションの高まりが感じられた。

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コース情報は「距離:4.0km  登距離:結構登坂力を問われます」という謎に満ちたプロフィールであったが、もう追いコン練も3年目で慣れたもの、どっしりとした気持ちでスタートした。スタートした瞬間から道がイカという惨状ながら、これが追いコン練だ一年分かったかという余裕の気持ちでリロケートしていく。そして2-3、

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舗装路を走ってゴルフ場内に突入すると、息が苦しい。え?めちゃめちゃ登ってね?あろうことかゴルフ場内には一切等高線表記がなく、舗装路は目に見えぬコンタをバリバリと破り伸びていたのである...

このレッグにありったけのコンテンツを注ぎ込んだコースは中盤以降道走り基調でふざけた斜面を上り下りするレッグに終始し、何やかんや楽しくフィニッシュすることができた。Y城氏は「来年の追いコン練も予定空けてあるから」と言い残し立ち去っていった...。

感想:等高線がないところで登らせるのは旧図を甘く見ていた

 

おまけ~振り返る追いコン練~

以下は7年連続追いコン練参加の記録を持つY城氏による追いコン練のレビューを簡単にまとめたものである。

2009年度

テレイン:道元平(埼玉県小川町)

宅地開発を受け使用不可能になった10年ほど前のテレインを掘り返しての開催。Eカードではなく古き良きコントロールカードを利用した刺激的なオリエンテーリングが体験できた。テレインは壮絶な開発に飲まれており、道、植生の変化が著しいそう。

総括:コントロールカードは邪魔

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2010年度

テレイン:四番金昌寺(埼玉県横瀬町

コースコンセプトはずばり「インカレAファイレベルの本格的コース」。四番金昌寺は関東屈指の壮絶な斜面を誇るテレインであり、「追いコン中というコンディションが悪い状態でコンディションの悪いテレインを走らせるとは正直アタマおかしいんじゃないか」と記している。「コンタリングは速いかもしれないが命は惜しい」「ごつすぎる」「危険」などのワードが随所に現れ、壮絶なテレインだったことが窺える。

総括:テレインの広さなど可能性を感じる部分もあるがいかんせんごつい

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2011年度

テレイン:吹上峠(東京都青梅市

先日リメイクされたことで関東近辺では有名な吹上峠だが、当時は長らくリメイクされていない色物テレインとして知られていた。尾根上は結構白くてコースセッティングによっては使えそう、と記している。(実際今年に入ってからリメイクされている)

総括:ごつい。心霊スポットとして有名で多種多様な霊に出会えるので皆さまぜひ。

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2012年度

テレイン:天狗岩(東京都青梅市

天狗岩は前述「二ツ塚峠」の西に隣接するテレインであり、広大かつ急峻なテレインである。テレイン中央部のインクの染みのような巨大岩・天狗岩からは青梅市街を一望できる。テレインの経年変化が著しく、かつコースセットがあまりにも危険だったため一部割愛となった。(筆者も訪れたことがあるが、オリエンテーリングする場所ではない)

総括:二ツ塚峠と接合させる強大なロマンを秘めているが、その実現のために幾多の屍が生まれること請け合いである。

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最後に

紙面の都合で割愛したが、そのほかにもOLKでは年に数回のペースでコンセプト系練習会を行っている。イカな地図に怒るのみならず、時には悠久の時の流れに思いを馳せることで見えてくる楽しさもあるだろう...変な練習会あったら誘ってください